2004年6月20日 若い指導員さんたちへ

 4月から指導員になった人は、そろそろ3ヶ月がたつね。夏が近づいてきてそわそわしている頃かな。夏は大きな行事があるからね。責任者の指導員はそれこそ気が気じゃないかもしれない。みえない不安にかられて、なんとなく気持ちが落ち込んでいる人が多いんだろうな。僕も指導員をやりはじめて年月だけはたったけど、毎年、夏が来ると、いまでも期待と不安が入り混じったような不思議な気持ちがします。

 いまは偉そう(笑)にしている僕も、最初のころは右も左もわからなかった。会議で何を話しているかなんて全然わからなかったし、場所がわからなくて会議の会場までたどり着けないことだってあった。子どもの家に電話するのは心臓が飛び出るほど緊張したし、会議で発言するなんてもう緊張どころじゃなかった。
 それでも、具体的じゃないんだけど、とにかくいい指導員になりたくてね。目標の指導員とか、憧れの指導員がはっきりいたわけじゃないんだけど、ああいう風になりたいっていうのはあった。子どもと一緒に考えたり、悩んだり、笑ったりして、子どもにたよりにされる指導員になりたかった。そのためにはとにかく子どもと一緒にいて、行動をじっと見つめたり、話しかけたりして、その子が何を考えてるのか知るようにがんばったよ。うまく関係が作れたと思うこともあったけど、うまく話がかみ合わなくて険悪な関係になったり、なにをしてもうまくいかなくて悩んだりしたこともあった。
 まわりの指導員がみんなすごい人に見えてね。それがプレッシャーだった。ギターがうまい人、ゲームの仕切りが上手な人、抜群のキャンプ技術をもってる人、会議をうまく指導している人。「かなわないなー」と思う人たちがいっぱいいた。僕も何かで目立ちたい気持ちはあったけど、みんなだめでね。指導員なんてむいてないんじゃないかと思ったことが何度もあったよ。

 悩んだり、考えたりするのは正直、きつかったね。でも、それって、明日を目指してるからなんだなって思ったときから、何かが変わりはじめたね。失敗しない人は何もしない人だ。いいものをつくりたいと思うから、失敗して悩んだり、行き詰ったりするんだ。そう思うと、急に気持ちが楽になってね。会議でも話せるようになった。話すことは、もちろん「失敗談」。これまでは、自分のつたない考えとか、まして失敗したことなんて話してもなんの役にもたたないって思ってね。しかも、なんだか、恥ずかしい気持ちもあったりして。他の班はこんなにうまくいってるのに自分の班は…、みたいにね。
 こういう話を受け止めてくれた指導員の仲間たちの存在は、僕にとってはすごく大きかった。指導員って要はチームワークでしょ。もし悩みや不安を素直に打ち明けて、なんにもしてくれない指導員集団だったら、それは指導員にとって不幸なのはもちろんだけど、なにより子どもにとって不幸だね。指導員集団が悩みや不安を率直に交流して統一と団結を保てなかったら、全体がバラバラになっちゃう。
 だからね。もし悩みや不安があったら、それは自分が一生懸命がんばってる証拠なんだって思って、責任者の指導員に相談してほしい。そのことで全体がよくなっていく。なによりも心の重みが軽くなるよ。指導員は一人じゃない。ひとつのチームなんだよ! そしていつかは、みんなが安心できる空間を創りだし、集団の統一と団結を守って全体を引っ張るリーダーへと成長して欲しいな。
 みんなで力をあわせて、新しい地平をきりひらこう。
(こ→へい)